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No.15「“人材”が“人罪”と“人財”へ変わる分岐点」

 「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」

 武田信玄公の有名な言葉ですので、お聞きになったことがある方も多いと思います。
この言葉から、『人の力を結集すると城にも値する』と捉えている方もいるかもしれませんが、本来の意味は少し違うそうです。

 信玄公の真意として、「適材適所の重要性」と、人をいかに意欲高く物事に取り組ませるかという「動機づけ」に関して述べたかったと言われています。

 ここでポイントは「情けは味方、仇は敵なり」という部分です。
その人に深い想いをかけ、その人の能力を活かすようにすると、人は成果で返してくれる一方、その逆になると敵のように自らの足を引っ張る存在になる、ということを言っています。

 企業の強さは「人材力」で決まることは、大多数の方が理解している一方、「人材」にかける費用を“コスト”ととらえ、極端な例では“戦国ゲーム”のように人材をとらえている組織が多く見られます(ちなみに、そのような実態になっていることにその組織自身は気づいていないことが多いのも難点です)。

 現状、市場で起きている人材不足や働き方改革の一環としてAIを導入し、課題解決に取り組まれている企業が増えてきました。ただ、このAIをどう駆使するかも人次第ですし、AIを活用して成果をどう高めるかも、やはり活用する人次第になるでしょう。結果、「適材適所」を図り成果を最大化するのも人次第です。

 真の“情け=深い想い”を持って“人財”とするか、もしくは“コスト”として捉えたままに人材が仇となって“人罪”となってしまうか、更にはAIとの戦いになるか、成果を最大化する手段とするか。

 ここ最近起きている優秀な人財確保の戦(いくさ)の行方を信玄公に聞いてみたいものです。