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No.23「企業と従業員の関係性」

 昨今のITの発達による改めて人的対応の見直し・強化や人材の不足感などの状況から、改めて企業としてのあり方や企業ブランディング、企業理念の浸透化などの課題を述べられる方が増加傾向です。

 企業ブランディングや企業理念の浸透化は経営課題でもありますので、ご依頼いただいてから必ず弊社で実施するのは経営層と従業員へのインタビューです。そこで浮かび上がる課題として往々にしてあるのは、他責的観点による“相互追及関係”です。経営層は「従業員が理念を理解せず、自律的に動かない」、従業員は「経営層が現場を理解せず、絵に描いた餅ばかりの取り組みを計画する」と「他責」の観点で現状への不満・課題を挙げることが多く見受けられます。

 どちらが真実か、の議論はここでは触れませんが、ポイントは両者が「他責」になっているうちは、取り組みを開始してもどこか違和感を抱えたままとなり、成果(ここでは企業ブランディングや理念の浸透化)につながりません。

 人材の不足感もあり、以前ほど「企業>従業員」という関係性ではなく、何かあれば同業他社へ人材が流動するなどの懸念から、「企業<従業員」となっている状態も見かけることが多くなりました。本来であれば、どちらが上・下ではなく、「企業=従業員」の“相互依存関係”が最適のはずです。企業は、企業理念実現の為に、その実現の中核を担う従業員が最高のパフォーマンスを発揮できるよう導いたり、環境整備をしたりする役割があり、その役割を担うのが経営陣となります。従業員は、企業理念に共感し、その実現に向けてやりがいを感じながらイキイキと働くことが役割です。

 このように書くと皆様、「当たり前のこと」として理解はいただけますが現実として起きている事象はは理解できている状況とは思えず、総論賛成・各論反対になりがちです。

 このような状況を改善するには、相互依存関係を企業と従業員が構築すること、つまりは“インナーホスピタリティ”の醸成です。企業の組織力や実力をいろいろな指標で図る記事を見かけますが、私としては今後の人口現象やAIによる人材からの職務転用などの市況環境を考えると、“インナーホスピタリティ”があり、企業(経営層)と従業員が同じ方向性を向き(これが企業理念の浸透化につながります)、取り組むことが今後の生命線になるのではないかと確信しています。

 改めて自社の企業理念実現に向けて何が必要か、経営層と従業員の立場を超えて話し合う機会を持たれてはいかがでしょうか?