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No.27「お客様との距離感」

 接客・販売業の企業様や法人営業などへの企業様などをコンサルティング・研修をさせていただいている中で、お客様との「距離感」に関するお話が良く出てまいります。

 そもそも「距離感」には、「直接的・身体的」な距離感と「精神的」な距離感の両面があります。

 直接的・身体的な距離感としては、お客様とコミュニケーションを取る適切な距離感、「パーソナルスペース」を侵害しない1m前後の距離感が重要と言われております。
(販売員の方が、あまりにも近くに来すぎて、プレッシャーを感じることはありませんか?これがパーソナルスペースを侵害した時の感覚です)

 本日ここで触れたいのは、「精神的」な距離感です。

 先日、ある大手紳士服のお店で秋冬物のスーツを見に行きました。このお店には私がいつも感心させられる素晴らしいスタッフのSさんがいらっしゃいます。このSさん、私とのやり取りの距離感が絶妙で、私が一人でゆっくりと見たい時は、特に話しかけることもなく、逆にどちらのスーツにするか、相談したい時にはどこからともなく現れて、声かけをしてもらえます。

 一度、Sさんにその極意をお聞きしたいところですが、私なりに、私の癖を自己分析してみました。「一人で選びたい時は、スタッフの方への対応がおざなりになっている」「悩んでいる時は、商品を前に動きを止めている」こういったちょっとした「サイン」をしっかりと「傾聴」&「観察」していらっしゃるのではないかと思われます。

 また、ある法人営業の企業様からは、「信頼感」があり、かつ「仲間意識」=「パートナー」としてお客様に見られるためには、どのような心構えや行動が必要なのか、というお話もうけたまわります。

 個人のお客様、法人のお客様の違い、そもそもお客様の人格・性格などにより、違いはあると思いますが、心地よい「距離感」を取った行動をするためのポイントを、様々なハイパフォーマーの方々のお声を元にすると、下記のようにまとめられます。
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1.お客様との関係性を考える
・そのお客様とは初見なのか、何度もお会いしているのか
・そのお客様はリピーターなのか、そうでないのか
・そのお客様とは、雑談などもできる関係かどうか
など

2.お客様の人格・性格を考える
・せっかちかな方か、のんびりとされた方か
・明るいな方か、真面目な方か
・雑談好きか、本質論者か
など

3.お客様の行動・仕草を観察し、考察する(=洞察する)
・お客様の発する声に、気持ちが入っているかどうか
・会話の際、お客様の視線が、こちらを向いているかどうか
・会話の際、お客様が話とは関係のない行動をしているかどうか
・お客様が悩まれているかどうか
など

4.自分・自社の位置づけを考える
・お客様から見て、自分・自社はどのようなイメージを持たれているか
・お客様から見て、パートナーかどうか
など
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 もちろん、一朝一夕に全てのお客様にできることはなく、繰り返しの経験や、そのお客様と何度もお会いできる関係であれば、その積み重ねの中で適切な「距離感」を探っていくしかありません。

 重要なのは、お客様がお会いしていただいている際に「快適さ」を感じていただける距離感を、その都度考え、実行し改善していくことの継続性だと思います。