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2023.12.12
Column
No.43「お客様対応をする為の“環境整備”」
「社員・スタッフが、なかなか思うようなサービス実践ができていない」
このようなお声がお客様から数多く聞かれます。まさしく、我々が直面する一番のお声なのですが、色々な課題がある中で、比較的言えることがあります。
それは、「社員・スタッフ」の方が、「お客様に対するホスピタリティマインドはある」ということです。あるにもかかわらず、実践できていない、ここがポイントです。実践するだけの専門性を身につける必要性があるのはもちろんなのですが、実践する方法が「わからない」というのが真の理由のようです。
この理由を更に掘り下げていくと大きくは2つに分類されます。1つは、純粋に「方法が分からない」という理由です。これを解決する手法としては、
1.好事例共有による平準化
2.先輩社員・指導社員・上長からのOJT
3.応対方法の事前学習(予習型対応の実践)
などが挙げられます。これは、個人・組織共にいかに「習慣化」するか、そして組織の「文化」にするかが重要です。(継続性とも言えます)
もう1つは「方法はわかるのだが、自分の判断でやっていいかが分からない」という理由です。これは、「社員・スタッフ」本人の問題というよりも、組織・上長の問題と言えるかもしれません。
「社員・スタッフの自主性に任せる」ということがありますが、すぐに成果が出せる社員・スタッフは多くいらっしゃいません。自主性に任せることは悪いことではないのですが、権限を活用できるだけの思考力が伴っていない場合は、逆に「わからない」ということで身動きが取れなくなってしまうのです。
「自主性」に任せる為には、こんなポイントを留意することが重要です。
1.社員・スタッフの力量に合わせる
2.どこまでのレベルは任せるのか、フレームを明示する
3.進捗管理・報告の時期、ポイントを明確にする
4.軸はぶらさない
そして、最後は、社員・スタッフの方が自主性を発揮しやすいよう、他部署やパートナー企業へ根回しを事前に完了しておくなど、様々な環境を整備してあげることが重要です。
明治期の大政治家、伊藤博文は調整型の政治家として、色々な政治家の力量を発揮させるのが上手だったとのこと。今も昔も、人をうまく活用する要諦は不変なのかもしれませんね。