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コラム・ウェビナー

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No.45「ほんの少しの積み重ねが大きな差別化に繋がる」

 私は3カ月に2回のペースで散髪をいたします。ローコスト・スピーディーなお店も多く、ちょっとした時間が空けば利用できる環境になりました。

 かくいう私も以前はそのようなお店を利用する機会が多かったのですが、ある時、業務が立て込んで頭の中を整理したくなり、オフィスの近くのお店を初めて利用いたしました。

 (大変失礼な話なのですが)頭の中の整理のためにで入ったお店ですので、サービス面などまったく期待はしていなかったのですが、最初の声かけから案内まで、“なんとなく”快適な印象を受けます。

 改めてよくよくスタッフの動きなどを見ていますと、お客様へのお伺いの姿勢を取り続けたヒアリング、初めてのお客様に対するわかりやすいシステムの説明、スピーディーな動きなど基本的な対応を全スタッフがしていることに気づきました。

 また、髪を切っている間も、こちらの表情を伺って話しかけるタイミングやこちらの話した内容に共感し話を広げる会話術など素晴らしい接客スキルを持っていらっしゃいます。帰り際も私が見えなくなるまで外に出てお辞儀をしているのです。

 頭の整理に入ったお店ですが、非常に気になってしまい、その次もこのお店を利用いたしました。そうしますと、前回担当していただいたスタッフの方が偶然いらっしゃり、前回のことを覚えていただいており、前回のお話なども織り交ぜた会話をされます。

 興味津々となった私は色々とその方にお聞きしますと、やはり基本的な対応に関しては、定期的にお店でトレーニングをしているということ、そして初めてのお客様にはお店を好きになってもらうために、できる限り顔を覚え、接客の後にどのような話をしたかを簡単にメモし、その日の終わりに必死に覚えるそうです。

 意識して注意すれば感じられるレベルの対応かもしれませんが、このような努力の積み重ねが、そのお店の“快適さ”につながり、私の心に残る対応に繋がったのだと思います(「快適さ」はJTBオリジナルのホスピタリティメソッドにおけるサービス価値要因レベル5にあたります。サービス価値要因の詳細は弊社営業担当までお問い合せください)。

 結果、私は今では散髪の際はそのお店を利用するようになりました。ローコスト・スピーディーなお店よりもコストアップになりますが、あの“快適な”対応をしていただけるのであれば、まったく惜しくありません。インフレ傾向にて財布のひもが固くなっていると言われている中、体験消費の重要性を改めて実感いたしました。