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No.19「相手基点の対応のベースは想像力」

 当社の定義するツーリズム産業と言うのは「人と人が交流することに資する業界」と定義しているので、詳細化すると多種多様な業種のお客様と交流がございます。そんな中、よくクライアントから言われるのが、「経験が無い業種・業界のことはわからないはずなのに、よく当社や当業界のことを勉強されていますね」ということです。

 もちろんご期待以上のパフォーマンスを出すべく、そのクライアントの研究をするのは当たり前なのですが、人材ソリューションを提供する立場として、その業界のことを経験していないとできない、と思っている人が多いのも事実です。

 専門的な知識や情報、文化・風土は長らく従事されている方からすると、かなわないことはあると思います。ただ、仕事の内容や課題など、本質的な部分は人が実施している以上、帰納的思考や他業種・他業界での業務との類似点からの推察など、様々なアプローチでおおよそを捉えることができます。そこから自身の研究・学習によって短期的に一定の水準(クライアント様との応対に困らないレベル)に達することができるはずです。

 仕事柄、多数のハイパフォーマーとお会いする機会がございますが、新たなフィールドに転職しても、前職同様に高い成果を出し続ける方を数多く見ています。その際に共感できるのは上記した内容です。

 これは相手基点で対応するというホスピタリティの原点から考えれば、この様々なアプローチで想像することができなければ、自身が経験した業種・業界でなければホスピタリティある対応ができない、ということになってしまいます。

 経験が無い=自信が無い、という心情は多分に理解できるものの、プロフェッショナルを目指すには、自身の経験を活用して導き出せるよう「“想”像力」をもっと働かせてみてください。真に相手のことを大切に「“想”う」のであれば、自然と「“想”像」は膨らむはずです。

 相手基点の対応として必要な想像力、もしかすると足りないのは相手を大切に“想”う気持ちの強さなのかもしれません。