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2021.04.20
Column
No.11「事前期待を超え続ける」
弊社は派遣するスタッフに対するJTBオリジナルのホスピタリティメソッドを活用して導入時や配属後のフォロー研修などに力を入れ、スタッフの質の向上に努めております。
メソッドの概要として、お客様の事前期待内の対応は基本的対応であり、それをレベル1~3、13の要因に区分し必須で実践すべき対応と定義しております。この対応がおろそかになるとお客様がご不満に感じてしまいます。一方でお客様にお喜びいただき、企業やスタッフのファンになっていただくにはその事前期待を超えた対応を行い、情緒的要因を感じていただくことが必要となります。この情緒的要因を感じていただく対応をホスピタリティ対応と定義し、レベル4~6、16の要因を設定しています。
(メソッドの概略図は弊社ホームページ「人材価値向上」ページからご確認ください)
弊社の主たるビジネスマーケットはツーリズムマーケットであり、その中でも宿泊施設などは価格帯によってもお客様の事前期待のレベルは違うことがあります。当たり前かもしれませんが、高価格帯になれば接客に求める事前期待レベルは高まります。
ホスピタリティメソッドの概念から考えると、「お客様の事前期待が低い方が満足度を高めることが容易ではないか?」と疑問に感じられる方がいらっしゃいます。もちろん、考え方としてはそうなのですが、そもそも事前期待が低い施設をお客様は利用するのでしょうか? また、事前期待を構成する要因の一つに「お客様の体験価値」があります。一度よい体験をするとそれがその施設への基準値になるわけです。
こう考えると、お客様に満足度を高い状態で常に維持していくために、施設側は従業員の接客レベルを落とすわけにはいかず、上げ続けること(最低でも維持)が必要になります。接客レベルを上げ続けるには従業員への継続した教育を実施するとともに、定着率を高めていくことも前提として必要になります。
ツーリズムマーケットは厳しい状況が続いておりますが、今だからこそ来るべき時に備えて従業員の質を高める取り組みを行うことが継続的な復興への近道の一つになるのではないでしょうか?