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2022.12.12
Column
No.31「師走で忙しい時期だからこそ“正確”に」
今年も早いものであとわずか。「師走」という文字通り多忙な状況が皆様も続いていることと思います。このような状況で仕事のミスで余計な仕事が増えるのは避け、正確な業務遂行をしたいところです。
さて、「正確」を辞書で引くと、「正しくて確かであり、少しも間違いがないこと」とあります。新入社員から経営者まで、仕事が「正確」であることの重要性は誰もが認識していますが、なかなか「間違い」はなくなりません。
私たちが顧客対応力強化の観点で、スタッフや管理職の方に「正確」に関する教育を行う際、以下のようなことをポイントとしてお伝えしています。
<STEP1:そのままメモを取り、復唱する>
まずはじめに、お客様や相手がおっしゃった言葉を出来るだけそのままメモに書きとめ、復唱します。これにより、お客様や相手のリクエストの「原点」を記録するとともに、お客様や相手へ「自分の依頼を受取り、記録してくれた。正確に仕事をしてくれそうだ」という安心感を提供することができます。
<STEP2:定型・定量化して確認し、メモを取る>
一つの例をもとに説明をします。
STEP1の時点では、お客様のリクエストが「まん中のプランを、週末までに、参加者全員分準備しておいて」といった内容のことが多くあります。そこでこのリクエストを「それでは、お一人様税込3,150円のBプランを、ご参加される15名様分、12月23日金曜日の17:00までにご準備し、お届けするということで、よろしいですね?」と、商品の正式名称や値段、そして期日や数量に置き換えた上で、お客様に確認して、これもメモを取ります。この際、もし可能であれば、それを書面にしてお客様に確認いただけると、さらに良いですね。このSTEP2によって、お客様の認識とこちらの認識のズレを無くし、さらにその後の社内的な発注手続きでの間違いを防ぎます。
<STEP3:「ミス発見テクニック」で間違いをゼロに近づける>
お客様のリクエストを明確化し、その通りに発注したり作業を進めてきたつもりでも、どこかの過程でミスが起きることがあります。特に人が関わって作業をする場合、「どこかにヒューマンエラーがある」と思っておいた方がよいでしょう。お客様にリクエストされたものを納品・提出する前に、下記のような「ミス発見テク」を使って、間違いをあぶり出すことが大切です。
・手元のメモと照らし合わせて確認する
⇒これは、基本中の基本ですね
・複数回確認する
⇒チェックを1回から2回にすることで、ミス発見率は15~20%アップします
・チェックリストをつくり確認する
⇒確認項目が多い場合は必須です。ただし目視だけでなく、チェックマークを入れながら確認しないと、効果は半減します
・異なった方法で確認する
⇒例えば表計算の縦計/横計での確認です
・違う立場の他者による確認を行う
⇒同質の人による形式的なダブルチェックでは、ミス発見はあまり期待できません
以上、とても基本的なことですが、そもそも「正確」はJTBホスピタリティメソッドの中で6段階の顧客対応力レベルの基本対応のレベル2に位置付けられています。
これをいかに愚直にやり続けるかが、お客様からの信頼の第一歩ではないでしょうか?私も多忙な師走だからこそ、あらためて「正確」な仕事に取り組んでいきたいと思います。